after rain 〜虹を待ちつづけて〜
家に着いて、私は自分の部屋に入った。


真っ直ぐ机に進んでいき、机の上にあった香坂くんとのプリクラを取った。


そしてそれを机の引き出しの奥にしまった。


カバンを机の横に掛け、次はケータイを取った。


ケータイを持つ手が震えるのがわかった。


震える手である人物に電話をかける。


---プルルル…プルルル…


電話に出ない間、心臓がバクバク言うほど緊張していた。


『…はい?どうしたの、葵。』


電話の向こうから、


璃音の声が聞こえた。


「あのね…大事な話があるんだ……。」
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