after rain 〜虹を待ちつづけて〜
回想が終わる。


と、同時に教室のドアが開く音が聞こえた。


「おはよ~。」


教室の端から、そんな璃音の声がした。


…来た……。


ざわざわしている教室だったけど、足音がこっちに近づいてくるのがかすかに聞こえる。


「葵、おはよう。」


顔を上げる。


「…おはよ。」


「どうしたの?また元気ないね?」


「そうかな…。いつもと変わんないけど?」


「…そう?じゃ、荷物置いてくるね。」


「うん。」


璃音の背中を見つめる。

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