after rain 〜虹を待ちつづけて〜
その手で、ペンを拾ってくれた。


「はい。」


「…ありがとう。」


ペンを拾ってくれたのは、同じクラスで侑の友達の香坂茂くん。


彼はペンを私に渡して侑たちの下へ行った。


「香坂、やっぱ優しいよね~。」


友達がそうつぶやいた。


「え?」


「あいつさぁ、クラスの中で一番カッコイイし優しいよね。」


「ふぅん…」


「あれ?葵は興味ないの⁇」


「…あんま、ね」


侑以外の男子は、興味なんてない。


…なんて言えないけど……。


恋バナって、ニガテだから…。


「香坂って、葵みたいに誰とも付き合わないんだって。なんでだろうね?葵はその気持ち、わかるでしょ?なんで~⁇」


「…えぇ~?別に、私は誰ともというか、付き合いたいって思わないからだけど…。香坂くんの気持ちなんて、私にはわかんないよ…」
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