after rain 〜虹を待ちつづけて〜
お母さんもすぐどこかへ行ってしまった。


『………。』


1人でポツンと部屋で過ごしていると、夕方頃……。


外から人の声がした。


1人じゃなくて、何人もいるみたいだった。


---ピンポーンッ


たくさんの人たちが家に入ってきた。


『葵~、降りてらっしゃい!』


お母さんに呼ばれて1階に降りる。


リビングに入ると……。


『えっ?!』


そこには私の友達がたくさん集まっていた。


『『『葵!誕生日、おめでと~~~!!』』』


クラッカーがパンッパンッと音を出す。


よく見ると、テーブルにはたくさんのごちそうが並んでいた。


お母さんはこのごちそうの買い出しに行ってたんだ…。


みんなの方を見ると、真ん中で侑が得意気に笑っていた。


…侑……。

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