甘い魔法は近づく唇☆Kissの予感
そんな顔で見ないで。



違うんだよ、修人。分かるでしょ?



不安な表情で見つめないでほしい。



あたしだってそばにいたいよ。



大きな声で『そんなの行かないで』って言いたいんだよ。



「俺の方が好きな気持ちでいっぱいだもんな…まっ、それでもいいって思ってた。でも…今の俺から優愛の存在がなくなったらどうなるのか…怖いんだよ…想像も出来ないんだよ…」



震えるような、か細い声で修人がつぶやく。



分かってるよ。あたしだって同じ。同じ気持ち。



「でも、修人はサッカーが好きでしょ?それに誰よりも努力してるじゃん。家に帰っても空いてる時間があれば練習してるでしょ?頑張ってるもん。こうして、その学校に誘われるのだって、すごいことなんでしょ?…だったら…だったら…迷うことなんかない…決めるべきだよ」



「優愛……」



ふわっと包まれる修人のぬくもり。



修人に抱きしめられ、何度も何度もキスをした。



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