黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
      その4

「彼、大丈夫かなーやっちゃん」

その頃…生徒会室のこたつのある部屋で、会長の八崎と副会長の長沢はくつろいでいた。

「何がだ?」

せんべいにかじりつきながら、八崎は聞き返した。

「副会長任命の件だよ、結構大変じゃない」

お茶をすすりながら、長沢は答える。

「だな〜オレの時は、桂がいたから良かったけど…」

「ああ、そうだったよね…かなり無理やり引き込まれたもんね〜」

「なかなかなってくれるヤツは、いないからな〜」

「だって副会長って、会長の秘書(雑用)みたいなもんじゃない」

「お前にピッタリじゃないか、下僕みたいで」

「何?!」

怒り出す長沢に、八崎は手をふってさえぎると言った。

「冗談に決まってるだろーが…一応、感謝してる…一年間お疲れな、桂」

八崎は柄にもなく、お礼を口にした。

あと数日で、生徒会の任期が終わる…

けじめとして、言っておきたい一言だった。
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