黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
ナゼ…自分がここに呼ばれたのか分からず、鳴海は出されたお茶をボーーッとしたまま、見つめていた…

「こほん…初めまして、オレは生徒会長の八崎、こっちは副会長の長沢だ」

「はぁ…」

鳴海は、間の抜けた返事をした。

「…鳴海君、早速で悪いんだけど君、これは見えるか?」

八崎は突然、長沢の頭を指すと鳴海にたずねた。

「へ?」

間抜けた声を出したのは長沢の方で、鳴海は長沢の頭上を一瞥すると何事もなかったように…

「…子供がいますね、男の子…」

と答えた。

「やっぱりな…」

八崎が会心の笑みを浮かべる。

「やっぱりって、やっちゃん…何かいるの?!」

長沢は涙目になって、八崎にしがみついた。
コクコクと、八崎と鳴海がうなずく…

「大丈夫だ、悪意はないし、遊びに来ているだけと本人も言っている」

「と・とってよ、とって!」

すがる目で、長沢は八崎を激しくゆさぶった。
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