黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編

運命の輪

ある日こんな夢を見た…


私は長い道路を一人で歩いている…
周りは住宅街だけど、人の気配はない…

左手には、重要なものが入ったスポーツバックを下げていて、それはかなりの重さがあった。

どうやら、どこかへ届けなくてはいけないらしい…

「里美さん…どこ行くの?」

突然後ろから声がかけられ、ふり向くとそこには…

「鳴海君…?私はこれを届けに行くのよ…」

「へー…」

しばらく二人で、並んで歩いていた。

何かを話しながらだったけど、思い出せない…

ふと隣を見ると、さっきまでそこにいた鳴海君が消えていた。

「あれ?鳴海君…?」

どこに行っちゃったんだろう…



「…でね、ついでに荷物も消えちゃってたの…どう思う?和美ちゃん」

「え…どうって…その荷物、鳴海君が持ってったんじゃない?」

「やっぱりそう思う?私その後、クライアントの所に手ぶらで行ったのよ〜」
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