黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
「…本人今、気ィ悪くしたぞ。あ、行っちまった」

長沢はホーッと胸をなで下ろすと、安堵した。

「本当、お前は呼ぶ体質だな、桂」

八崎はやれやれと、ため息をついた。

「けど、おかげで確かめるのに手間が省けたぞ…桂、鳴海君はかなり強い…」

ニヤリと笑って、鳴海を見た。

「さすが、拝み屋の息子だね…」

とりあえず、長沢は褒める事にした。

「フッフッフッ…まーな。あ、悪い鳴海君、という訳で君に決めたわ♪春から生徒会長ね、君」

カラカラと笑って、八崎は鳴海の肩を叩いた。

「それから会長になったら初仕事として、副会長の任命ね。決まったらボクらに紹介してよ。あ、何か質問ある?」

長沢が嬉しそうに、たずねた。

目の前で…本人を無視したまま話が、ドンドン進められて行く事にめまいを覚えながら、鳴海は答えた。

「あり過ぎて…何から聞けば良いのか、分からない所です…」

「あはは、そうだよねー」

長沢はパソコンを操ると、生徒会に関するファイルを開いた。
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