図書館の秘め事
「たしかに、最初はそうだったよ。でもね。由紀子の打つ手と真剣な表情って綺麗なんだよね」



「そんなこと言っても、何もでませんよ」



このままだとこの人のペースに巻き込まれる。


そのことが分かっている私の声はドンドンと冷たくなっていくだけ。


もっとも、この人がこれで諦めるなんて思えないのが情けない。



「ね、由紀子。こっち向いて」
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