= secret =
私は貴臣さんの携帯に

手に取った。


2つ折りの携帯の

開いた。


操作しようと

ボタンに手をかける・・・



「・・・・やっぱり
 できないよ・・・。」



私は携帯を持った手を

だらりと下におろした。


こんなこと・・・

したくない・・・。


感情が高ぶって

涙があふれそうになる。


その瞬間―――


貴臣さんの携帯が

鳴り始めた。


私はあせって

携帯を閉じようと

手をかけた画面には


佳央


の2文字が・・・。


え?佳央・・?


思わず携帯に

出そうになる。



けどこれは

貴臣さんの携帯。


出るわけには・・・。


そうこう

考えてるうちに

佳央からの着信が

止まった。


妙な胸騒ぎを覚え

その着信をきっかけに

着信履歴に手をかけた。



佳央


の文字が連続して

続いていた。



発信履歴も・・・



佳央


の文字が連続して

表示された・・・。




佳央・・・なの・・・



誰よりも大切な

親友の佳央が・・・


何も考えられなくなって

貴臣さんの携帯を

元の場所に戻し

私はベットにもぐりこんだ。




誰か


ウソだと言って・・・・・



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