= secret =
少しして

携帯が鳴った。


貴臣さんからの

着信だった。


ピッ―


「・・もしもし。」



「あ、柚那?
 何度も電話したんだけど
 でないから心配したよ。
 お母さんは大丈夫?」



「うん・・・。」



「柚那?どうした??
 なんか暗いけど・・」



「・・気のせいだよ。」



「・・・そうか。」



「うん・・・。」



「あのさ柚那・・・」



「あ!ママが呼んでるから
 行かなきゃ!またかけるね!
 じゃ!」




ピッ―


逃げてしまった・・・。


私まだ聞きたくないよ・・・。



けど私は


貴臣さんも大事だし


佳央も大事なんだ・・・。



これからの二人のためにも


にっこり笑って


お別れしなきゃね・・・。



頭じゃ分かってるんだよ?



けどまだ気持ちがついて


こないんだ・・・。


もう少しだけ待って欲しい・・・。



光輝さんみたいに


あんなに冷静に話すことなんて


私にできる日がくるのかな・・・。




違う。


できなくても

やらなきゃね・・・。
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