= secret =
ピンポーン――。


チャイムが鳴った。


玄関の扉をあけると

そこには・・・


「光輝さん?!」


「やぁ♪おはよう♪」


「おはよう・・ございます?」


「お姫様をさらいに来ました♪」


「え?」


「行こう!」


光輝さんは私の手を

取って走り出す。



「え?!
 ちょ、ちょっと光輝さん?!」



「早く!乗って!!」



光輝さんの車まで走って

助手席にほぼ押し込まれる状態で

乗せられた。


光輝さんが急発進に近い状態で

車を出した。



「ふぅ~。」



「いったい何が??」



「言っただろ?
 さらいに来たって。」



光輝さんはそう


優しい微笑みで言った。


いったい何が

どうなってるの??



あ・・もうすぐ


貴臣さんが


来る時間だ・・・。



「私・・・
 帰らなきゃ・・」



「ダメだよ。帰さない。」



光輝さんの左手が

私の右手を握り締めた。



「光輝さん?//」



「フフ・・可愛いね。」



そう言った光輝さんの


笑顔はいつものように


さわやかで素敵だった・・・。
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