= secret =
そして着いたところは


海―――。


貴臣さんと私が

将来を誓いあった海。



「大丈夫?」



そう言って私の顔を見た

光輝さんの顔は

とても穏やかで

優しくて・・・。




「・・・うん。」


「僕でよければ
 話し聞くよ?」


「頭じゃ・・・
 わかっているから。
 あとは気持ちの
 問題だけで・・・。」



「大丈夫?」



なぜか

光輝さんの


『大丈夫?』


という言葉が心に


染み渡る・・・。


「せっかくだから
 笑顔で答えて
 あげたいと
 思ってるから・・。」



「そう。
 何かあったら
 必ず僕じゃなくても
 いいから相談してね。
 1人で抱えないようにね。」



「・・・うん。」



その後

何を話したかよく

覚えていない。


気がつけばまた

車に乗っていて

光輝さんは

私を家の近くまで

送ってくれた。

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