銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
「目立たぬようにするのが良しと思われる」
「うん」
「だが迅速に行動しろよ? まごまごしてると危険だ」
「分かった」
「周囲によく注意を払うべし」
「う、うん……」
「だがあまりキョロキョロするな。挙動不審に見られるぞ」
「……」
注意事項を受けるたびに不安が増してくる。
本当にあたしにできるかしら? 大丈夫かな?
心臓はますます激しく鳴るばかりで、ノームが胸元から心配そうにあたしを見上げていた。
「ねえ、あたし、アグアさんを見つけた後はどうすればいいの?」
「状況によるが、簡単に連れ出せはしないだろう。居場所が分かるだけでも上出来だ」
「ぶ、無事かどうかも確認してください! ぜひとも!」
「その後で、酒宴の混乱に乗じてそっと抜け出すんだ」
「よ、よし。うん分かった」
あたしは自分がやる事を頭の中で反芻する。
大丈夫よね? 大丈夫、やれるよね? うん大丈夫よきっと。大丈夫大丈夫……。
自己暗示にかけて、無理やり平静を保とうと努める。
「それからノーム」
「なんですか? ジン」
「目立たないのが鉄則だが、しかし最悪の場合も充分に考えられる」
「はい」
さ、最悪の、場合?
……い、いや大丈夫!
きっと大丈夫ったら大丈夫! 危険な事態なんて起きるはずがない!
「うん」
「だが迅速に行動しろよ? まごまごしてると危険だ」
「分かった」
「周囲によく注意を払うべし」
「う、うん……」
「だがあまりキョロキョロするな。挙動不審に見られるぞ」
「……」
注意事項を受けるたびに不安が増してくる。
本当にあたしにできるかしら? 大丈夫かな?
心臓はますます激しく鳴るばかりで、ノームが胸元から心配そうにあたしを見上げていた。
「ねえ、あたし、アグアさんを見つけた後はどうすればいいの?」
「状況によるが、簡単に連れ出せはしないだろう。居場所が分かるだけでも上出来だ」
「ぶ、無事かどうかも確認してください! ぜひとも!」
「その後で、酒宴の混乱に乗じてそっと抜け出すんだ」
「よ、よし。うん分かった」
あたしは自分がやる事を頭の中で反芻する。
大丈夫よね? 大丈夫、やれるよね? うん大丈夫よきっと。大丈夫大丈夫……。
自己暗示にかけて、無理やり平静を保とうと努める。
「それからノーム」
「なんですか? ジン」
「目立たないのが鉄則だが、しかし最悪の場合も充分に考えられる」
「はい」
さ、最悪の、場合?
……い、いや大丈夫!
きっと大丈夫ったら大丈夫! 危険な事態なんて起きるはずがない!