銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
「ああ! 分かったわ! ありがとうお兄様!」
マティルダちゃんはパァッと目を輝かせた。
「マティルダがお願いしていた小間使いね!? どこからか調達してきて下さったんでしょう!?」
小間……調達って!
あたしゃあんたの使用人じゃないんですけど!?
やっぱりちょっとムカつくわ、この子。
「この者は雫という。余の客人だ」
ヴァニスが、あたしをそう紹介してくれた。
『客人』と言われて、少し意外に感じたけれど、『ああそうだ小間使いだ』と言われなくて内心ホッとする。
この先、奴隷のようにこき使われるのかと一瞬不安に思ったわ。
「お客人? この女性がお兄様の? この、珍しい顔が?」
……ちょっと!
『顔』が客なわけじゃないわよ! あたし自身が客なんでしょ!?
なにそれ! あなたもう少し一般常識学んだ方がいいわよ!
ヴァニスといい、この子といい、どうにもカンに触る物言いする兄弟ね!
遺伝なのかしら! ほんとそっくりだわ!
……大人気なく怒るつもりはないけれど!
ムカムカしているあたしを、少女特有の好奇心いっぱいのキラキラした目で見ながら、彼女は兄に夢中で話しかけている。
「お兄様、これからマティルダと一緒にお食事をして下さるのでしょう?」
「うむ。その約束だったな」
「珍しい顔のお客人も御招待してくださいな。ぜひお話を伺いたいわ」
興味津々のニコニコ笑顔に、毒気を抜かれてしまう。
この子、よっぽどこの顔が珍しいのね。なんだか自分が珍獣になった気分よ。
まあ確かに、この世界にとってあたしは珍しい存在ではあるけど。
マティルダちゃんはパァッと目を輝かせた。
「マティルダがお願いしていた小間使いね!? どこからか調達してきて下さったんでしょう!?」
小間……調達って!
あたしゃあんたの使用人じゃないんですけど!?
やっぱりちょっとムカつくわ、この子。
「この者は雫という。余の客人だ」
ヴァニスが、あたしをそう紹介してくれた。
『客人』と言われて、少し意外に感じたけれど、『ああそうだ小間使いだ』と言われなくて内心ホッとする。
この先、奴隷のようにこき使われるのかと一瞬不安に思ったわ。
「お客人? この女性がお兄様の? この、珍しい顔が?」
……ちょっと!
『顔』が客なわけじゃないわよ! あたし自身が客なんでしょ!?
なにそれ! あなたもう少し一般常識学んだ方がいいわよ!
ヴァニスといい、この子といい、どうにもカンに触る物言いする兄弟ね!
遺伝なのかしら! ほんとそっくりだわ!
……大人気なく怒るつもりはないけれど!
ムカムカしているあたしを、少女特有の好奇心いっぱいのキラキラした目で見ながら、彼女は兄に夢中で話しかけている。
「お兄様、これからマティルダと一緒にお食事をして下さるのでしょう?」
「うむ。その約束だったな」
「珍しい顔のお客人も御招待してくださいな。ぜひお話を伺いたいわ」
興味津々のニコニコ笑顔に、毒気を抜かれてしまう。
この子、よっぽどこの顔が珍しいのね。なんだか自分が珍獣になった気分よ。
まあ確かに、この世界にとってあたしは珍しい存在ではあるけど。