銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
急がなきゃ! まごまごしていられないわ!
でもどうやって部屋から出ようか!?
扉の外にはヤモリのように、ベッタリ侍女が張り付いているし!
あぁもう! なにが乙女よ! なにが御手付きよ! そもそも、そのせいで余計な混乱が……!
……そうだわ!!
ピンと閃いたあたしは、急いで扉に駆け寄った。
コホンと咳払いし、息を落ち着けながらゆっくり扉を開けると、外に控えていた若い侍女がこちらに振り向く。
「ねぇちょっと、聞きたい事があるんだけど」
「どうなさいましたか? 雫様」
「その、あたし、よく知らなくて不安なの」
「? なにがでございますか?」
「もうすぐ迎える事になる、ヴァニスとの時間の事なんだけど」
怪訝そうな侍女の顔が、次の瞬間『あ!』っというようにパッと赤らんだ。
そしてモジモジしながら小声で答える。
「ヴァニス王様とのお時間、と申されますと、その……」
「えぇ、つまりこの間の、その続きの事なの」
「つ、続き……」
侍女の顔がますます赤く染まったけれど、あたしは素知らぬ振りで、無知な乙女の芝居を続けた。
「あたしは、ただ黙って一緒のベッドで眠ればいいのよね?」
「え!? あ、そ、そうだと思い、ますけど」
「じゃあ、どうしてヴァニスはあたしの服を脱がせたのかしら?」
「え゛!? そ、それは……」
「なぜあたしの体の、あちこち恥ずかしい部分に触れる必要があるの?」
「そ、その……」
「あたし、驚いてとても混乱してしまったの」
侍女は真っ赤になって無言で俯いてしまった。
でもどうやって部屋から出ようか!?
扉の外にはヤモリのように、ベッタリ侍女が張り付いているし!
あぁもう! なにが乙女よ! なにが御手付きよ! そもそも、そのせいで余計な混乱が……!
……そうだわ!!
ピンと閃いたあたしは、急いで扉に駆け寄った。
コホンと咳払いし、息を落ち着けながらゆっくり扉を開けると、外に控えていた若い侍女がこちらに振り向く。
「ねぇちょっと、聞きたい事があるんだけど」
「どうなさいましたか? 雫様」
「その、あたし、よく知らなくて不安なの」
「? なにがでございますか?」
「もうすぐ迎える事になる、ヴァニスとの時間の事なんだけど」
怪訝そうな侍女の顔が、次の瞬間『あ!』っというようにパッと赤らんだ。
そしてモジモジしながら小声で答える。
「ヴァニス王様とのお時間、と申されますと、その……」
「えぇ、つまりこの間の、その続きの事なの」
「つ、続き……」
侍女の顔がますます赤く染まったけれど、あたしは素知らぬ振りで、無知な乙女の芝居を続けた。
「あたしは、ただ黙って一緒のベッドで眠ればいいのよね?」
「え!? あ、そ、そうだと思い、ますけど」
「じゃあ、どうしてヴァニスはあたしの服を脱がせたのかしら?」
「え゛!? そ、それは……」
「なぜあたしの体の、あちこち恥ずかしい部分に触れる必要があるの?」
「そ、その……」
「あたし、驚いてとても混乱してしまったの」
侍女は真っ赤になって無言で俯いてしまった。