銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
「しずくさあん! 助けてください!」
生のノームの声がどこからか聞こえてきて、あたしは煩雑な部屋の中を急いで探索し始めた。
布団を踏み越え、イスを掻き分け、小物をひっくり返していると、テーブルの上に小さな四角い木箱を発見した。
「しずくさん! しずくさん!」
間違いなく、この箱の中から声が聞こえてくる。
やった見つけた―! ノーム―!
急いで箱の蓋を開けようと、手を触れた瞬間……
―― ギュイイィィ~~!
……ぐあぁぁ――!?
あたしは大きく仰け反り、声も無く悶絶した。
ガラスを爪で引っ掻く音。
ああいった、不快極まる音が何重も重なり、大音響で頭の中に響き渡った。
背筋をミミズが大量に這いずり回るような、信じられないほどの嫌悪感に、両目をギュッと閉じて歯を食いしばって耐える。
両耳を手で押さえ、頭を振っても音は消えない。
頭の中に直接音を打ち込まれてる感じだ。
やっと音の脅威が消え去ってからも、しばらく体の硬直は解けずに、テーブルに上半身をもたれ掛けて、ゼエゼエ荒い息を吐いていた。
虫唾が走る。歯が浮いて気持ち悪い。不快、不快、不快なこの感覚。
とてもじゃないけど、無理!
カギがかかってない理由が分かった! これに耐えられる人間がいるとは到底思えない!
「しずくさん、どうしましたか? 大丈夫ですか?」
今にも泣きそうなノームの声が聞こえる。
あれからずっとひとりぼっちで、真っ暗な箱の中に閉じ込められて、まるでゴミみたいに物置に放置させられていたノーム。
……。
耐えてみせる!
「大丈夫よ。何でもないわ。今出してあげるからね!」
生のノームの声がどこからか聞こえてきて、あたしは煩雑な部屋の中を急いで探索し始めた。
布団を踏み越え、イスを掻き分け、小物をひっくり返していると、テーブルの上に小さな四角い木箱を発見した。
「しずくさん! しずくさん!」
間違いなく、この箱の中から声が聞こえてくる。
やった見つけた―! ノーム―!
急いで箱の蓋を開けようと、手を触れた瞬間……
―― ギュイイィィ~~!
……ぐあぁぁ――!?
あたしは大きく仰け反り、声も無く悶絶した。
ガラスを爪で引っ掻く音。
ああいった、不快極まる音が何重も重なり、大音響で頭の中に響き渡った。
背筋をミミズが大量に這いずり回るような、信じられないほどの嫌悪感に、両目をギュッと閉じて歯を食いしばって耐える。
両耳を手で押さえ、頭を振っても音は消えない。
頭の中に直接音を打ち込まれてる感じだ。
やっと音の脅威が消え去ってからも、しばらく体の硬直は解けずに、テーブルに上半身をもたれ掛けて、ゼエゼエ荒い息を吐いていた。
虫唾が走る。歯が浮いて気持ち悪い。不快、不快、不快なこの感覚。
とてもじゃないけど、無理!
カギがかかってない理由が分かった! これに耐えられる人間がいるとは到底思えない!
「しずくさん、どうしましたか? 大丈夫ですか?」
今にも泣きそうなノームの声が聞こえる。
あれからずっとひとりぼっちで、真っ暗な箱の中に閉じ込められて、まるでゴミみたいに物置に放置させられていたノーム。
……。
耐えてみせる!
「大丈夫よ。何でもないわ。今出してあげるからね!」