銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
やっとの事で広い空間に出て、あたしは床にヘタリ込む。
つ、ついた! やっとついた! も―ダメ限界! ゼエゼエ……!
「……う!?」
思い切り吸い込んだ空気が胸を汚染して、あたしは思わず両手で口と鼻を覆った。
ひどい悪臭!
吐き気を催す、まるでゴミ溜めのような汚臭が室内に充満している。
澱んだ重さ、鼻を突く鋭さ、濁った不快さ。
水質汚染の極まったドブ川みたいな臭い! うわ! たまらない! なんでこんな臭いが!?
顔を上げて室内を見回すあたしの視界に、何かが見えた。
……なに? なんだろうあれ?
見慣れなくて、不可解で、すぐには認識できない光景が、ある。
あたしは悪臭に耐えて浅い呼吸を繰り返しながら、その光景を見つめた。
薄暗い室内で、少しずつハッキリしてきたそれは、白い繭だった。
大きな大きな、人間の大きさ程の白い繭。
透ける様に真っ白な繭の、その中には……。
巨大な幼虫?
うわ、人間並みの巨大幼虫が、中でビクビクと蠢いて……
蠢い……て……
……。
あれ、は……。
「……精、霊?」
つ、ついた! やっとついた! も―ダメ限界! ゼエゼエ……!
「……う!?」
思い切り吸い込んだ空気が胸を汚染して、あたしは思わず両手で口と鼻を覆った。
ひどい悪臭!
吐き気を催す、まるでゴミ溜めのような汚臭が室内に充満している。
澱んだ重さ、鼻を突く鋭さ、濁った不快さ。
水質汚染の極まったドブ川みたいな臭い! うわ! たまらない! なんでこんな臭いが!?
顔を上げて室内を見回すあたしの視界に、何かが見えた。
……なに? なんだろうあれ?
見慣れなくて、不可解で、すぐには認識できない光景が、ある。
あたしは悪臭に耐えて浅い呼吸を繰り返しながら、その光景を見つめた。
薄暗い室内で、少しずつハッキリしてきたそれは、白い繭だった。
大きな大きな、人間の大きさ程の白い繭。
透ける様に真っ白な繭の、その中には……。
巨大な幼虫?
うわ、人間並みの巨大幼虫が、中でビクビクと蠢いて……
蠢い……て……
……。
あれ、は……。
「……精、霊?」