銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
砂漠の男神
「う……わああぁ~~……」

 あたしは、砂漠にデーンとそびえる超巨大建造物を、感嘆しながら見上げていた。

 ……デカい。
 とにかくデカいわ!
 縦にも横にもデカ過ぎる!!

 虹の橋を流れている時に、神殿が見え始めた時からもう、その大きさには驚いていた。

 上から見下ろす状態でも、正確な面積の見当も付かないほどだ。

 みみっちい発想だけど、建坪どれくらいなのかしら?

 小さな町くらいの大きさは、間違いなくあったと思う。

 虹から降りて、間近から見上げて、さらに実感してしまう。

 デカい、高い、広い。
 完璧に三拍子揃ってる。
 ふわあぁぁ~~。

 半分呆れながら溜め息をつく。

 だって、デカいだけじゃないのよ。呆れる要素が。

 正面入り口に、極太の円柱がズラッっと整然と並んでるんだけど、彫り込まれてる彫刻が死ぬほど細かいの!

 虫眼鏡が欲しくなるほど、精密な文様が表面にビ~ッチリ!

 幾何学模様だっけ? そんな感じの模様が、すっごい色彩豊かに彫られてる。

 青、黄色、紫、緑、赤。

 巨大な神殿全体が、極彩色のパラダイス状態。

 黄色ぐらいしか色味の無い砂漠の中で、この神殿はまさに極楽浄土だわ。

 後光を差したお釈迦様が中から現れそうよ。宗教違うけど。

 でもあまりの派手さに、逆に俗っぽくて有り難味は少々薄い。

 侘び寂びを好む日本人には、ちょいと理解不能かも。

 よその文化ってこんなもんなのかしらね?
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