銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
「ヴァニス―――!!」
悲鳴をあげるあたしの目の前で、彼の脇腹と足からみるみる血が溢れ出している。
鮮血は一向に止まらず、杖はまるで彼の様子を伺うように、ヴァニスの頭上でフワフワと揺れ続けていた。
「あんたが杖を操っているんでしょ!? 止めなさい!!」
番人に怒鳴り散らしたけれど、杖は今度はヴァニスの肩に狙いを定めて再び襲い掛かった。
ヴァニスは地面に伏したまま、片手で脇腹を押さえながら片手で剣を振って応戦している。
鋭い金属音が連続して、杖は目が回りそうなスピードで空中を動き回った。
そして、隙あらば切っ先をヴァニスの体に突き立てようとしている。
無理な体勢でもヴァニスは、さすがと言うべき剣さばきを披露していたけれど、手で押さえる事ができなくなった傷口からドクドク血が流れている。
当然、脇腹からの出血も止まってはいない。しかも体を動かし続けているせいで、出血はますます酷くなっていく。
あたしは思わずその場に駆け寄り、動き回る杖に向かって両手を伸ばした。
この、ちょこまかと動くんじゃないわよ!
介護福祉用品の分際で人様を攻撃するなんて、何様のつもり!? この不良品!
両手でパシンと杖を挟むように掴んだ途端、両手の平にスパッと不快な感覚が走った。……痛っ!?
反射的に杖を放して、自分の手の平を見る。
悲鳴をあげるあたしの目の前で、彼の脇腹と足からみるみる血が溢れ出している。
鮮血は一向に止まらず、杖はまるで彼の様子を伺うように、ヴァニスの頭上でフワフワと揺れ続けていた。
「あんたが杖を操っているんでしょ!? 止めなさい!!」
番人に怒鳴り散らしたけれど、杖は今度はヴァニスの肩に狙いを定めて再び襲い掛かった。
ヴァニスは地面に伏したまま、片手で脇腹を押さえながら片手で剣を振って応戦している。
鋭い金属音が連続して、杖は目が回りそうなスピードで空中を動き回った。
そして、隙あらば切っ先をヴァニスの体に突き立てようとしている。
無理な体勢でもヴァニスは、さすがと言うべき剣さばきを披露していたけれど、手で押さえる事ができなくなった傷口からドクドク血が流れている。
当然、脇腹からの出血も止まってはいない。しかも体を動かし続けているせいで、出血はますます酷くなっていく。
あたしは思わずその場に駆け寄り、動き回る杖に向かって両手を伸ばした。
この、ちょこまかと動くんじゃないわよ!
介護福祉用品の分際で人様を攻撃するなんて、何様のつもり!? この不良品!
両手でパシンと杖を挟むように掴んだ途端、両手の平にスパッと不快な感覚が走った。……痛っ!?
反射的に杖を放して、自分の手の平を見る。