銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
「ね、ねぇ。まさかこのまま、廃船なんて事にはならないでしょう?」
「大丈夫です。私の力が戻り、砂漠に帰れば全て元通りですよ」
モネグロスの手が、大事そうに船を撫でる。
「神の船よ、共にアグアに会いましょう。そして、皆と共に砂漠へ帰りましょう」
あたし達を、身を挺して運んでくれた神の船。
絶対に、このままの姿になんてしておかないわ。きっときっと元通りに直すから。
思いを込めて船を撫でると、疲弊しきって眠っている感覚が、手の平を通して伝わってくる。
ゆっくり休んでね。本当に本当にありがとう。
「さてと、これからどうするか」
「決まっています! 一刻も早くアグアの元へ!」
「慌てるなよ。まずは無事に城内に入り込……」
「いえぜひ慌てましょう! すぐにも城へ行きましょう!」
「頼むから落ち着けモネグロス」
ジンがモネグロスの両肩をポンポンと叩く。
「慎重に行動しよう。それが一番だ」
「実体化を解けば、我々の姿は人間には見えません! 誰にも見咎められる事なく城内に入れます!」
「雫はどうするんだ?」
「あ」
モネグロスが、口をパカリと開けてあたしを見た。
あたしも同じように口を開けてふたりを見る。
そうだ。あたし、実体化解けないわ。
ど、どうしよう。これって足手まといって事? あたしさえいなければ、ふたりはすぐにでも城内に潜入できるのよね?
「大丈夫です。私の力が戻り、砂漠に帰れば全て元通りですよ」
モネグロスの手が、大事そうに船を撫でる。
「神の船よ、共にアグアに会いましょう。そして、皆と共に砂漠へ帰りましょう」
あたし達を、身を挺して運んでくれた神の船。
絶対に、このままの姿になんてしておかないわ。きっときっと元通りに直すから。
思いを込めて船を撫でると、疲弊しきって眠っている感覚が、手の平を通して伝わってくる。
ゆっくり休んでね。本当に本当にありがとう。
「さてと、これからどうするか」
「決まっています! 一刻も早くアグアの元へ!」
「慌てるなよ。まずは無事に城内に入り込……」
「いえぜひ慌てましょう! すぐにも城へ行きましょう!」
「頼むから落ち着けモネグロス」
ジンがモネグロスの両肩をポンポンと叩く。
「慎重に行動しよう。それが一番だ」
「実体化を解けば、我々の姿は人間には見えません! 誰にも見咎められる事なく城内に入れます!」
「雫はどうするんだ?」
「あ」
モネグロスが、口をパカリと開けてあたしを見た。
あたしも同じように口を開けてふたりを見る。
そうだ。あたし、実体化解けないわ。
ど、どうしよう。これって足手まといって事? あたしさえいなければ、ふたりはすぐにでも城内に潜入できるのよね?