君を想う、僕の我が儘
僕の我が儘のせいで、合格でも不合格でも、僕は君を泣かせてしまうんじゃないかと心配になった。


…涙をがまんして、いつも笑顔を見せてくれる君。
その優しさに応える術を、今の僕は知らないんだ。



合格発表の当日。
僕は君に会いにいった。


君の嬉しそうな顔で、君の合格を知った。

「僕も、合格したよ」


「おめでとう」


高校の近くの、桜並木を歩きながら、僕たちは無言になった。


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