君は何を見ているの?
「まあまあ、怒らない。」


「怒ってなんかいねえよ。」


「じゃあ、またね。」


「ああ、入学式の挨拶ちゃんとしろよ。」


「は~い」


そう言うと茜は、教室に入ってしまった。


俺も自分の教室に入ると、自分の名前の紙が貼られている机に行き鞄を机の横に掛けて椅子に座った。


(あいつ大丈夫か?)


茜は全く問題ないような感じだが、俺からしたら問題だらけだ。


クラスは分かれるし、入学式の挨拶が茜が普通に終わる確率は低い。


はぁ、とため息をつくと俺の目の前に座っていた男が俺の方へ振り返ってきた。


「お前、何入学式当日からため息なんかついているんだよ?」


(慣れ慣れしいな・・・)


見た目も髪は金パで、派手系の男だ。


俺が一番苦手とするタイプだ。


「・・・別に」


そう言うと男は首を傾げた後、口を開いた。
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