光源氏の腕の中【仮】

①悲しみの初夜

すべての行事が終わり、

私はお風呂に入る。

『今夜は大事な初夜ですので、

私共が、お体をお流しいたします』

女中数名に言われ、

私は必死に拒んだ。

・・・

「私の見の周りの事は、

お菊さんにしてもらうって

いつも言ってあると思います。

だから、今夜もお菊さん以外は、

絶対ダメです」

私の言葉に、

女中たちは、お菊を睨む。

・・・そうなのだ。

本当なら、この人たちが、

私の世話をしなければいけないのに、

お菊一人にすべてを任せているため、

仕事が激減する…

それでは女中の仕事がなく、

この屋敷から追い出されてしまう。

女中たちは、

陰で、お菊を苛めている事を、

私は知らなかった。

・・・

でも、お菊は何も言わない。

私の為に・・・
< 102 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop