光源氏の腕の中【仮】
「朱音様は何も悪くありません。

私が粗相するから、お叱りを受けただけで」


そう言って笑って見せたお菊。

でも、

私は何度も首を左右に振り、

謝った。


「お菊さんはそんなことしない。

いつも完璧に何でもこなしてるもの。

私が、何でもお菊さん一人に頼んじゃうから、

それで、そんな目に遭ってるんでしょう?」


「…違います」


「違わない。

これからは気を付けるから。

他の女中さんにも、お願いするから・・・

何かあれば、何でも言って?

お菊さんは、友達で、お姉ちゃんで…

私にとって大事な大事な人だから」



「…ありがとうございます。

こんな身分の低い私なんかを、

よくしていただいて・・・

これからもどんどん仕事を言ってください。

朱音様の為なら、なんだってしますから」

お菊は本当に優しい微笑みを浮かべ、

そう言った。

< 104 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop