光源氏の腕の中【仮】
湯船から上がり、

白い着物を着た私は、

寝所へとやってきた。

まだ、

帝の姿はなかった。

・・・

帝を好きになるまで

抱かない。

その言葉を信じているものの、

半信半疑。

世継ぎはもう決まっているようなので、

子供を作る必要もないし。

だからと言って、

『側室』になったからには、

子供を作るのが仕事・・・

・・・

落ち着かず、

私は座り込んだまま、

揺れるろうそくを見つめていた。

・・・

…ガタ。

そこに、

そっとふすまが開き、

帝が入ってきた。

・・・

帝は私が光と寝ている事を知らない。

きっと、

私は処女だと思われてるんかもしれなかった。
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