光源氏の腕の中【仮】
「朱音は、私の心を、

穏やかにしてくれる。

とても大事な存在・・・」


まだ何か言いそうになって、

それを止めた帝。

私の髪を撫で上げた時、

首筋に、赤い花が、ほんのりと、

まだ残っていた。

最後に光に抱かれた時、

光がつけたもののようだった。

私は付けられたことに、

気が付かなかった。



「…帝様?・・・キャッ!」


突然、

人が変わったように、

まるで獣にでもなったかのような

帝の瞳。

私を押し倒し、

行為に及ぼうとした。


「待って!待ってください・・・

さっきと違う・・・」


「この首の物はなんだ?」

そう言った帝は、

私の首すじに、

自分の顔を埋めた。
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