光源氏の腕の中【仮】
「何の事ですか?」

何も知らない私にとって、

そんな質問をされても、

応えようがない。

・・・

「光源氏と一夜を共にしたのか?」

・・・

その言葉で、

首筋に何があるのか、

やっと悟った私は、

絶句した。

・・・

「光源氏には抱かれても、

私には抱かれたくないと?」


「そ、それは・・」


「・・・」

私をまっすぐに見つめ、

帝の目が揺れていた。

涙を流すことはない。

でも、切なさや苦しさ、

そして悔しさ・・・

たくさんの感情が一気に、

目に出ているようだった。


「…みか・・ど、さま」

「そんなに私を毛嫌いするか?」
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