光源氏の腕の中【仮】
その言葉に何度も首を振る。

・・・だって、

私は人として、

帝の事は好きだ。

私を何度も助けてくれ、

いつも私に優しく接してくれて、

いつも、私の気持ちを最優先してくれる、

本当なら、権力で、

私みたいな小娘、

好きなように、扱えるはずなのに、

そうしない帝。

・・・

「なぜ、あ奴なのだ。

なぜ、私ではダメなのだ?」



「・・・」


最初に出会ったのが、

帝なら、

何かが変わっていたのかもしれない。

でも、

今そんな事を言っても、

何も変わらない。


「ごめんなさい」

その言葉しか出なかった。
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