光源氏の腕の中【仮】

③・・・ご懐妊

婚儀から、どれくらい経っただろう?

・・・

このお屋敷の生活にも慣れ、

女中騒動もだいぶ落ち着いてきた。

・・・

お菊には、私の大事な用事を

頼み、簡単な用事は女中に任せる事にしたから。

・・・

昼食中。

広いお座敷で、

一人で食べる食事は何も美味しくない。

誰かと食べるから、

美味しいと感じる食事。

…つまらないと思い、

お菊を呼んだ。


「いかがなさいましたか?」

お菊は心配そうに、私を見つめる。


「・・・一人の食事はつまらない」

私の言葉に、お菊は微笑んだ。


「さようにございましたか。

お食事はともには出来ませんが、

少しお話をする事なら、出来ますので、

何の話をいたしましょうか?」


「お菊さんの、家族の事を教えて?」


「…フフ、かしこまりました」
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