光源氏の腕の中【仮】
その言葉に、

お菊は何とも言えない顔をし、

「おめでとうございます、朱音様」

言葉では、祝いの言葉を言う。


・・・

私と、帝は、

ただただ呆然とする。


だって、お腹の子は・・・


「これからが大変ですが、

焦らず、栄養のある物をしっかり

食べてくださいね?」

優しい口調で、医者が言った。



「…この事は、まだ・・・

他言するな」

医者をまっすぐに見つめ、

帝が言う。

医者は首を傾げる。


「なぜです?いい知らせではありませんか。

帝様のお子とあらば、国中が

祝福してくださると言うに・・」


「いいから、言うことを聞け」

静かに、でも、

強い口調で言われ、

医者は小さく頷くしかなかった。
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