光源氏の腕の中【仮】
「朱音さんは、

検査結果を見るからに、

どこにも異常はみられません。

目覚めて間もないですから、

2.3日様子を見て、何もなければ、

退院しても構いませんよ」



「・・・そうですか。

わかりました」


話しを終えた光司先生は、

立ち上がる病室を出ていく。

・・・

私は窓の外を眺めていた。


「…朱音」


「・・・え?」


・・・

名前を呼ばれ、

振り返った時には、

もう誰もいなかった。

今の声は、

確かに光源氏の物だった。

・・・

まさか・・・ね。
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