光源氏の腕の中【仮】
「朱音に手を出したら、

ただじゃおかない」


・・・

その声の主は、

振り上げた彼氏の手を掴み、

私を助けてくれた。

・・・

私を知ってるようだけど、

誰?

暗がりの中の後姿。

全く誰だかわからない。

・・・

彼氏は、

今にもやられそうだと感じたのか、

手を振り払い、

そそくさと、どこかにいなくなってしまった。

・・・


「あ・・り、がと」

助けてくれた後ろ姿に、礼を言う。

・・・

「退院したと思ったら、

こんなことしてて・・・

だめだろ?」


「・・・え?」

・・・やっと、

車のライトで、

その人の顔が見えた。
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