光源氏の腕の中【仮】
・・・

両親は、

私がいなくなったことに、

気が付いているだろうか?

友達や彼氏から、何か連絡は?

・・・

そう言えば、

ポケットに携帯を入れてたっけ。

・・・

私はそそくさと、

携帯を取り出した。

…ガックリ。

そうよね・・・

当たり前よね・・・

『圏外』

ここは平安時代。

携帯の電波が通じるわけがないんだ。

・・・

死んでないなら、

やっぱり元の世界に帰りたい。

・・・

こんな誰も知らない土地で、

死にたくはない。

・・・

「不思議なものをお持ちですね?」

頭上から聞こえてきた少女の声。
< 15 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop