光源氏の腕の中【仮】
「お菊、朱里は女だ」

「「え?!」」

・・・

ふすまの裏から、

突然男の声が聞こえた。

・・・

「…源氏の君様?!」

お菊は、姿を現した光に、

驚きつつ、

更に、私が女だと言う爆弾発言に、

もっと驚いている。

・・・

私を見る目は、パチクリと

何度も瞬きをし、

ちょっとカワイイ・・・

・・・

「朱里の本当の名は、朱音。

女だと、私の傍にはおいておけない。

朱音を守る為、男と偽っておる」


「・・・」

それを聞いて、

お菊の顔がキリッとなった。

・・・

「朱音は見ての通り、

茶色い頭で、この国の者ではない。

それゆえ、何かと心細いだろう。

お菊、朱音の良き友人になってやってくれ」
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