光源氏の腕の中【仮】

②甘い誘惑、甘美な囁き

暖かい湯につかり、

美味しい食事をいただき、

幸せの一時。

・・・

ここが平安時代じゃなければ、

もっと幸せなのになあ。

・・・

「寝所のご支度が整いました」

お菊が私に告げた。


「ありがとう」

私はお礼を言うと、

部屋へ一歩足を踏み入れる。

・・・


そうか。

この時代は、

布団で寝る習慣はないんだっけ。

着物が布団替わり。

・・・っていうか、

なぜ二組も用意してあるの?


・・・


「…あの、お菊さん、

なぜ二組あるんです?」

「・・・それは」

不思議がる私と、

頬を染め、微笑んだお菊。
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