光源氏の腕の中【仮】
慌てふためきたくとも、

着物が重すぎて動けないし、

・・・

あ~もう!

早く帰ってきてよ、光!

・・・ギャ~!!

もうダメだ!

・・・

私は、ギュッと目を閉じた。

・・・

逃げられないから・・・

・・・

「…姫様。

こんな所で、何をしておいでです?」


「・・・帝様?!」

・・・帝?

・・・

帝と呼ばれたその人は、

姫をどけると、私を助けを起こした。

・・・

姫は逃げる様にいなくなり、

私は難を逃れた。

そう思った途端気が抜け、

ドッと涙が溢れた。

しかもあろうことか、

その帝と言う人に、しがみついてしまった。

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