光源氏の腕の中【仮】
私はすがるような目つきだったのか?

・・・

光は私の顎を持ち上げ、

唇を奪った。

・・・

その優しい口づけが、

イヤじゃないのは、

どうしてかな・・・

・・・

そっと離れた唇が、

もっと欲しくて、

でも言えなくて・・・

・・・

私は光の着物の裾をつまんだ。

・・・

そんな私を見た光は、

クスッと笑って、


「さぁ、帰ろう」

そう言って、歩き出した。

・・・

この時、

誰かが、

私たちを、見ているとも知らずに・・・
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