光源氏の腕の中【仮】
「現に、今は、

仕事以外で、外に出る事はないだろう?

それがなぜだかわかるか?」

・・・

私の耳元で優しく囁く。


「そんなのわからない」

・・・わからないよ。


・・・


「こうやって傍にいないと、

また空に帰ってしまうんじゃないかと、

私の傍から、姿を消してしまうんじゃないかと、

そう思うと、そなたの傍を離れる事など、

考えられぬ。帰してやると言ったのに、

矛盾するな・・・

でも、そなたが悪い・・・

これほどまでにそなたに溺れるとは、

思いもしなかった。

私は朱音、そなたを心から愛しておる」


・・・


何でだろう。

何でこんなに嬉しいんだろう…

私には彼氏がいるじゃない。

自分のいた場所に、彼氏が・・・

でも、彼氏に言われた告白より、

ずっとずっと、心に響く告白に、

私は心を奪われた。
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