光源氏の腕の中【仮】
「朱里は私と行く。

指図は受けぬ・・・」

そう言って、私を連れて、

中に入ろうとした光だったけど、

使用人数名に止められる。

・・・

「帝様の命でございます。

従わねば、それなりの

ご処分が下るとお思い下さい」

・・・

使用人の言葉に、

光の顔が歪む。

・・・

「光、私は大丈夫。

先に中に入っていて?」

そう言って精一杯の笑顔を見せた。

・・・

そうでもしなきゃ、

光は中へ行こうとしないだろう。

不安で、怖いけど、

光の為に・・・

・・・

「・・・わかった。

早く来るんだぞ?」


「・・・う、ん」

光は使用人の後に続き、

入っていく。

私は、違う部屋へと連れて行かれた。
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