光源氏の腕の中【仮】
「あ、あの・・・」


困った私はそう声を発した。


「これはこれは・・・

どこの姫君でございますか?」


一番奥の大臣が、

私の顔を見て、

微笑んだ。


それに応えたのは…


「異国の姫君で、名は朱音。

私の側室にする予定の姫だ」


そう言って微笑んだ帝。

・・・

大臣方は、納得の様子。

納得してないのは、

もちろん私・・・

そして、光源氏の二人。

・・・

光源氏は、

物言いを帝に向けて始めた。


「お待ちください。

朱音は私の大事な姫にございます。

帝様の側室などと・・」

「だまらっしゃい!

帝様に物言いとは失礼な!」

光源氏の横にいた人が、

怒った。
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