光源氏の腕の中【仮】
黙り込んだ私を、

こんなにたくさんの偉い人たちの前で、

光は優しく抱きしめた。

・・・

その行動に、

皆が唖然とする。

・・・

「光源氏。場を慎みなさい。

帝様の前でこんな…」

帝の前に座っていた大臣が、

一喝する。

でも、

光源氏はビクともしない。

・・・

「皆の者に言い渡す。

朱音は私の姫だ・・・

光源氏がなんと言おうと、

側室にするゆえ、今後の準備を頼む」


「…御意にございます」

・・・

帝のこのたった一言で、

すべてが決まってしまった。

・・・

この時代の女は、

上の者に従わなければならない。

私の反論など、何の効力も持たない・・・
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