光源氏の腕の中【仮】
第三章光源氏の腕が恋しくて
・・・

その後。

本当に光源氏は牢獄に入れられ、

一週間の間、

とても質素な食事が一度出されるだけで、

暗い中、ずっと入れられた。


私はと言うと・・・


「朱音様、動かないでください。

着物が上手く着付けられませぬ」

そう言って額に汗を流しながら、

女中が言った。

・・・

「イヤです。

私は男物の着物でなくちゃ着ません。

それに、私の世話をしてくれるのは

お菊さんじゃなきゃイヤです!!」

私は駄々をこねる子供のように、

バタバタとした。

・・・

「これは、これは・・・

じゃじゃ馬姫ですね?」

そう言ってクスクスと笑いながら、

帝が部屋に入ってきた。

・・・

女中たちは、

慌てて頭を下げる。
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