光源氏の腕の中【仮】
お菊は静かに立ち上がると、

部屋に入ってきた。

・・・

私は思わず、

お菊にしがみ付いた。

・・・

「ごめんなさい」

私は何度も謝った。

だって、どんなお叱りがあるのかと思うと。

怖くて、申し訳なくて。

・・・

でも、お菊は、

優しく微笑み、

私をそっと抱きしめた・・・

「いいんです。

朱音様を守れるのなら、

どんなお叱りが待っていようと、

怖くはありませぬ。

朱音様には、いつも何時も、

笑っていてほしいですから・・・」

・・・

私が泣き止み、

寝付くまで、

お菊は私の傍にいてくれた。
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