光源氏の腕の中【仮】
締め付けられる胸を押さえ、

涙をグッと堪え、

「すみません、進んでください」

そう言った。

・・・

そしてまた、

牛車が進みだした。

・・・

光の熱い視線を感じながら、

私は俯いたまま、

そこを通り過ぎた。

・・・

光源氏。

・・・

貴方には、

もう二度と、

触れる事は出来ないのですね・・・

・・・

今ここで、

貴方が連れ去ってくれたら、

どんなに幸せでしょう・・・


・・・

一粒の涙と共に、

私の想いも溢れ出した・・・
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