DAYS〜君とあたしのカタチ〜
「お疲れ様…」
と言ったあたしの声は、まるで蚊が鳴いたような小さい声だったため聞こえなかったのか、石崎君は何も言わず、あたしを素通りしていった。
どうしよう…。
よし、呼び止めよう。
と、思ったと同時に石崎君の足が止まり、あたしの方に振り返った。
そして、石崎君の方から歩み寄ってきた。
そして、石崎君は右手を差し出して、何か渡してきた。
なんだろ…
「…?なに?」
あたしがそう尋ねると、石崎君は可愛いい笑顔を見せた。
「こないだ、100円拾い忘れてました。」
「あぁ…ありがと。二度目だね、100円玉手渡してくれたの。」
「ですね。」
あたしが年上だからだろう。
石崎君は、控えめな姿勢でいつも敬語。
まぁそこも、なんか新鮮で悪くないけど。