DAYS〜君とあたしのカタチ〜
素早く制服に着替え、紙製の帽子を被って、一階の食品売り場へ向かった。

階段を下っていると、一人の学ランの高校生が、怠そうに階段を上がってきていた。

初めて見る顔だなと思いながら、あたしと理香は、すれ違い様に挨拶した。

「こんにちはぁ!」


その高校生は、ペコリと頭を下げて何も言わず階段を上がっていった。

その時の彼の表情を、あたしは見逃さなかった。

彼が頭を下げた時に見せた少しの笑顔を。

それが以外にも可愛くって、あたしは一人、にやけてしまった。



「うわぁ〜今日もお客さん多いわー!」

苦笑いで理香が言う。

「だね!」


サービスカウンターで、レジの鍵を受け取り、それぞれのレジにはいる。

あたしと理香はいつも離れたレジにさせられる。
きっと、近いとおしゃべりすると思われてるんだろう。


それぞれのレジには、最低でも5人は並んでいる。
相変わらず、このスーパーは繁盛しているなぁ。
< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop