DAYS〜君とあたしのカタチ〜
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理香には、すでに3年も付き合ってる彼がいる。

理香は生まれもっての美人顔だし、女っぽいし、でも性格はサバサバしてて明るくて…彼がいない方がおかしいって誰もが思うんじゃないかな。


あたしはというと…そんなに可愛くないし、性格だって明るくみえたって内心めちゃめちゃマイナス思考だし…簡単にいうとコンプレックスの塊みたいな奴なんだよね…


――だから今だって、2カ月前に終らせたはずの恋を未練がましく忘れられないでいるんだ。


忘れたいって思ってる間は、きっと忘れることはできないんだって気付いた。


なら、どうしたらこの気持ちから抜け出せる?



なんて…濁った心を抱えて、あたしは今日も昨日と何も変わらない日々を過ごしてる。



理香には、

『あんな二股男、とっとと忘れなよ!』

て何十回も言わせちゃったから、もうこのことは理香の前では口にしないことにした。

わかってるんだけど…

今みたいに自分の部屋に一人になれば、こうやって自動的に“忘れられない人”が頭に浮かんできては、溜息をつくあたしがいる。




〜♪


携帯の着信音。

あたしを『今』に引き寄せたのは、理香だった。


あたしは、明るい声で電話に出た。
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