愛と憎しみの果て~たどり着く場所~


「誕生日なら 今晩は彼氏とお祝いすんの?」


雄太があたしに言った。


「・・・まぁ」


また適当な嘘


「彼氏の前でも
感動しちゃったぁ~って涙するのかな?
可愛いね
抱きしめたくなるねー
って言うか、佐藤さん彼氏いたんだ~」


野村さんが横から口を挟む。


「えっ…まぁ」


居ないあたしは、そうとしか返しようがない


「居るよ居る!
優しい彼氏がね!」


南里さんまで…


すると、雄太が


「じゃー 佐藤さんも今日は忙しいみたいだから、さっさとケーキ食って帰ろう」


と、早食いを始めた。


もっと ゆっくり感動を味わいたかったな


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